日本酒「山城屋」が世界展開へ向けた新ブランドデザインを発表
新潟県長岡市栃尾で1845年から酒造りを続ける越銘醸株式会社は、代表銘柄「山城屋」のブランドイメージを2026年2月に刷新しました。世界展開を見据え、「原点回帰」と「ノンバーバル」をテーマに掲げ、屋号の「山」を象徴とする新たなデザインで装いを一新します。
「山」をモチーフにした新デザインと「究極の引き算」の思想
今回のリブランディングプロジェクトでは、「原点回帰」と「ノンバーバル」がテーマとなっています。屋号の「山」を起点とし、その存在を図像として結晶化させました。この「山」のモチーフは、四方を山に抱かれる栃尾の風土を象徴するとともに、株式会社化以前の屋号「山城屋」に通じる原点の記憶も表しています。

料理を引き立てる「究極の引き算」という味わいの思想は、装飾を削ぎ落とし、余白と質感で語る造形へと置き換えられました。ラベルに立ち上がる山は、日本画や版画を想起させるマチエール(画材の物質感)をまとい、言葉を超えて伝わる普遍的な視覚表現を志向しています。金、銀、黒で表現される定番シリーズに加え、季節限定シリーズでは季節ごとに表情を変えた山がデザインされる予定です。

世界で評価される「山城屋」の味わいと新たな挑戦
「山城屋」は、その質実剛健な味わいが評価され、国内では「日本料理 一凛」など数多くの名店で採用されています。国外では、日本食レストラン「Zuma」をはじめ、現在スペイン、UAE、アメリカ、韓国、シンガポールなど世界10カ国で親しまれています。

味わいのコンセプトは、派手な香りに頼らず、米と水の力を静かに研ぎ澄ます「究極の引き算」。新潟県としては珍しい生酛造りを採用し、冬に雪が降り積もり、大地も空気も清潔になる栃尾の山々が育む恵みを活かして、冬にのみ酒を仕込んでいます。自然の力を借り、手間を惜しまず醸すことで生まれる穏やかな酸と深い旨味が特徴です。
元花火職人の新代表が語る「山城屋」の未来
2025年10月に代表取締役に就任した吉原雅史氏は、大学在学中に花火と出会い、日本の花火が持つ表現力と感動させる力に魅せられ、約20年間花火職人として活躍しました。その後、越銘醸の一員となり、日本酒も花火と同じように世界に届けられる日本の誇りであるという確信を得て、代表に就任しました。

「山城屋」というブランド名を再び冠することは、1845年の創業時に越銘醸が譲り受けた屋号「山城屋酒店」への原点回帰でもあります。新しい蔵元のもと、代々蔵を支えてきた蔵人たちと共に、栃尾の地から真摯な挑戦を続けていくとしています。
越銘醸のWEBサイトはこちら:
https://koshimeijo.jp/
世界的なデザイン賞受賞チームによるクリエイティブディレクション
本リブランディングは、世界的なデザイン賞を多数受賞している小野恵央氏率いるチームがクリエイティブディレクションを担当しました。小野氏はブランドの思想を起点にコンセプトを構築し、視覚と言語へと展開するクリエイティブディレクター/アートディレクターです。また、グラフィックデザイナーの菅原良太氏が、繊細なタイポグラフィーを軸に、ロゴやグラフィック、文字組、余白設計を手がけ、ブランドの品格を支えています。南アフリカで開催された日本酒イベントでも、その世界観が高い評価を得ています。
小野恵央氏のウェブサイトとInstagram:

とあるアパート編集部より
日本酒「山城屋」の今回のブランド刷新は、単なるデザイン変更に留まらず、その歴史と風土、そして未来への強い意志が込められています。特に「原点回帰」と「ノンバーバル」というテーマは、言葉や文化の壁を越え、世界中の人々に「山城屋」の持つ本質的な価値を伝えるための重要なアプローチと言えるでしょう。元花火職人である新代表の異色の経歴も、このブランドが持つ情熱と挑戦の精神を象徴しています。世界でのさらなる飛躍が期待される「山城屋」の動向に注目です。


